向こうから健康的な黒い肌を滴らせた背の高い青年が、タンクトップを翻して走ってくる。
通りすぎる瞬間の風が顔を撫でていく。
ランニングする青年の空気を食べたような気になってこれだけを食べて生活する妖怪になるとしたら、と思案していたがすぐに飽きて仕事にとりかかる。
橋の下を流れる川に鷺が止まる。おそるおそる川に足をつけ、能の足取りでそろりそろりと歩いている。汚い水でも水は水で足をつけたくなってしまうものなのだろうか。鳥は表情がないからたくましい。嫌だな~っていう表情をしながら川に足をつけていたとしたら、飛び立ってしまえばいいのにと思ってしまう。鳥の気持ちがわからない。羽があればわかるのか。嘴があればわかるのか。卵をあたためればわかるのか。言葉というものの邪魔くささを覚えながら鷺の所作を眺める。
自分の周りを揚羽が旋回し、まじないをかけられた気持ち。怖っ!が半分。
不思議な気持ちに頭がふわついていたところ、静かに産毛を炙っている日差しに気づいてしまう。じりじりと焼けていく感覚はひどく疲れる。暑さは苦しさ。一瞬の内に燃えてしまえば良いのに。
1秒と経たずに燃え尽きて骨だけになったときに何を思うのか。甘いものでも食べたかった、なんて思ったりするのだろうか。
骨になっても歌っていたいが滑舌が悪くならないか心配だ。震わせるものがないから音が下に落ちていかないか心配だ。
今日聞いて刺さった言葉
「財布はお金の家なので綺麗にしておかないとお金が出ていってしまう」
「お金はさみしがりなのでお金があるところに出ていってしまう。それは人がたくさんいるところや、お金が沢山あるところ。」
「『お金がない』のではなく、それはお金が出ていってるだけ」
夜道がとてつもない秋。特に話はしないけどよくつるんでいるような親しさのある風がずっと隣にある。秋だ。近すぎず、離れすぎず、コンビニでも寄ってく?という感じの風が歩いている。
秋はベースだ。あるだけで全体的な見え方が違う。
秋はふりかけだ。あると嬉しい。
秋は無表情だが、笑ったとき場が和む。
秋はモテてると思う。でもそれが鼻につかない。秋だから。
外でレッドブル飲みながら煙草吸うぜ。
外でLチキ食べながら車のスピード感を眺めるぜ。
秋だなあ、秋なんだよなあ、あき竹城なんだよなあ、アキレスと亀なんだよなあ(あの映画見てむちゃくちゃ憂鬱のタイダルウェーブにならないなにかを作る人たちっているの?マジで。個人的にかなり辛くなる。あんなに辛くなる映画よく撮るなと思う。ある意味お勧めです。思い出し辛さがきてる。やめてくれ!頼む。美味しいスープ作ってだれか。クルトンが入ってるやつ。クルトンってウルトラセブンに出てきそうじゃない?クルトンって哲学者の名前みたいじゃない?)
MOWのバタースコッチいただく?
いただいちゃってる?
冷凍庫から出したら少し置いておいてね。
んめぇ~から。
バタスコって基本んめぇ~よね。
バターってね、んめぇ~のよ。
チェルシーももっぱらバタスコよ。
え?なに?チェルシーってなに?って?
うそ。本気で言ってる?
ケミストリーも歌ってたよ?
え?ケミストリーって誰?って?
うそ、え、ちょ、え?嘘?え?マジ?
半端な夢の一かけらだよ?
ふいに誰かを傷つけてるよ?
現に今アタシ傷ついてるよ?
ところでMOWのバタスコいただく?
いただいちゃう?
お風呂沸かしとく?
クーラーもう少し下げる?
あ、おつゆはもう全部あっためといてるから!
突然の実家感