路傍の足

ある日、私はぶらぶらと散歩をしていました。

すると、道の端にとても見慣れたものが、

しかし、それだけが落ちていたら

 

どうしても見慣れないものが落ちていました。

 

道端に 足が落ちてる

 

道端に 足が落ちてる

 

どうして 足が

どうして 足が

 

なぜか ひざは すりむけてる

道端に 足が落ちてる

あ~

 

ひどく疲れているようで

裸足は 硬くなっている

 

どうして 足が

どうして 足が

 

しかも 裸足 しかも 裸足 だし

 

しょうがないので

履いていたナイキを 履かせてやると

ぴょんぴょん ぴょんぴょん

飛び跳ねたではありませんか

 

ぴょんぴょん

ぴょんぴょん ぴょーんぴょーん

飛び跳ねたではありませんか

 

道端で 足がはねてる

道端で 足がはねてる

 

もういいだろう と

はねている足から

ナイキを返してもらおう とすると

 

足は 私の手を

何度も何度も踏みつけるので

頭にきて

 

やいやい 足よ

そのナイキは俺のナイキだ

返せ!と怒鳴るんですが

 

生意気な足首は

まるでそこに鼻がついていたら

ふふん と俺を笑ったように

くりん くりん と鳴らすもんだから

 

とうとう 堪忍袋の緒が切れた私は

その生意気な足首をひっつかんで、

ぐるんぐるんと

そりゃあもう

ぐるんぐるんと 回して

放り投げてやろうと 飛びかかるも

 

跳ね回っていた足は

私の腰に美しい回し蹴りを食らわし、

私の上半身と下半身を

綺麗に ばらばらにしてしまったのだ

 

なんということだ

なんということだ!

 

そこに口がついていたら

げたげた笑っているに違いない足は

地面を叩き、ナイキをきゅっきゅっいわし

飛び跳ねている

さらにはそのまま走り去ろうとしている

 

待て!逃がすものか!

 

このままでは私の足がかわいそうだと

私は蛙逆立ちのように 腕を足のように伸ばし

 

生意気なナイキを履いた足を追いかけたのだ

どこまでも

どこまでも

 

 

ある日、私はぶらぶらと散歩をしていました。

すると、道の端にとても見慣れたものが、

しかし、それだけが落ちていたら

 

 

どうしても見慣れないものが落ちていました。

 

 

道端に足が落ちてる

道端に足が落ちてる

あ~