かげほうし

ある朝、目覚めると 影ばかり

くろいくろい 影ばかり

お母さんらしき 影が振り返り

おはよう、て言って朝食を作る

 

くろい 厚切りのトーストに

くろいくろい ハムエッグ

お父さんらしき 影が コーヒーを片手に

くろいくろい ページをめくる

 

あたたかい日差しがテーブルを包み

素敵な朝をむかえているよ

頭がおかしくなってしまったのだろうか、いや

いつも通りさ、そうさ

いただきます ―あ、夢か

 

気がつくと いつも通りの くろい 学校で

くろい 教科書の26ページを開いて

くろいくろい 黒板を

鉛筆をくわえて眺めてる

 

名前を呼ばれたので、くろい 壇上に上がり

くろい 黒板を くろい チョークで埋める

黒井先生が うれしそうに

ぼくの頭を撫でている

 

うしろではくろいみんなが

うれしそうに手をたたく

なんだかぼくも嬉しくなってしまって

むずむずして

なんだか、とび跳ねたいな!

 

あたりは黒い影ばかり

黒いボールをみんなで蹴り上げる

あたりは黒い影ばかり

見えない舌を出して笑う

 

休み時間は 影山さんと

くろいくろい こと ばかり

ひっついて かさなって

くろい こと ばかりしてたら

おおきな おおきな 影になる

 

 

気がつくと あたりは 影ばかり

くろいくろい 影ばかり

おいで おいでと

みんな 楽しそうに

おかしな かたちで てをふる。